「あいつ俺のことをちっとも見ていなかった」
と、シュタルクは口にする。魔族と対峙した時、圧倒的強さによる自信から、ある魔族は自分を意識すらしていないことに気づいた言葉だ(アニメ 葬送のフリーレンより)。
これを見て、「あの人もそーだった」と思った。
1. お目め
そのお目めに出会ったのは、陸上での大会。日本でもトップの高校生アスリートに出会った。あちらは有名だから僕は知っている。けど、彼は僕のことを知らない。
先輩が彼との知り合いで、たまたま陸上競技場で会った。先輩は彼とその連れ(みんなすごい人)と話している。
そして、僕もすごい人を前にして、なんとか存在を見てほしいと思った。おもしろいキャラを演じた。先輩が突っ込んだり、周りの人は笑った。彼も笑っていた。けど、僕のことは見ていなかった(感覚)。
2. あの目の正体
あの目はなぜ僕は見ていなかったのだろうか。
陸上マガジンを見ていて、その謎が解けた。その中では、泉谷駿介さんの特集がされている。
彼は、「自分の走りをするだけです」と言っていた。110mhでは、隣に8人の選手がいるが、一番になるかどうかは自分でコントロールできない。
しかし、自分の動きをしたものが勝ちやすい。なぜならば、周りの選手や環境に左右されず、ひたすら自分の動きができたものが、自然と最も良いパフォーマンスを発揮するからだ。
3. 「目」と「内」
今思えば、彼の目は外界の外界の刺激よりもひたすら自分の動きや内の感覚へ自分の意識を集中している結果ではないか。
その結果、僕を含めた外界への意識が自分(内)への意識を上回ることはない。意識を内に向けているのだから。どんなレースでも、周りがどんな競技場でどんな選手がいても、その外に目を向けず、ひたすら自分の身体・自分に今できることはなにかを考え続けている。
その感覚に気づき、今まで他人と戦ってばかりいた自分に気づいた。他人との比較・嫉妬。
一方、彼は自分と戦っていた。怠惰・恐怖・安定(コンフォートゾーン)。
自分と戦っている選手と、他人とばかり戦っている選手。差が広がり、試合で結果的に「勝てる」のはどちらであるかは自明だ。
参考コンテンツ
・葬送のフリーレン
・陸上マガジン 2023年8月号