人だけど、熱帯魚と同じことを繰り返す 他人の彼氏・夫が魅力的に見えるわけ 進化心理学・生物学

友達の彼氏・夫が魅力的に見える

そう意識では思っていなくても、無意識で動いてしまうのが生物なのだ。

人間は動物とは離れた高尚な生き物であり、生き物に当てはまることは、僕に、私に、当てはまるわけがないと思い込んでいる人もいる。

しかし、それは学問上から、科学的に証明されているのであり、「自分には一切関係がない」と思い込むのは、非常に愚かだ。

1. 熱帯魚のメスが選ぶ「モテるオス」とは?

ある熱帯魚の研究がある。

その熱帯魚のオスはひれが長いほどモテる。

人間ならば、「かっこいい」「イケメン」と呼ばれる部類だろうか。

しかし、比較的、そうでないオスもいる。

実験では、ひれの長いオスを孤立させ、逆にひれの短いオスをメスと交尾する姿を、別のメスに見せた。

すると驚くことが起こり、同等の条件ならばひれの長いオスを選ぶメスも、ひれの長いオスでなく、別のメスと交尾していたひれの短いオスと交尾した。

他のメスにモテているオスとは、人で言うならパートナーがいる状態のことである。

熱帯魚について書かれている▼



2. なぜそれが起こるのか

これは進化心理学で説明されていて、「オスの選び方」がポイントとなる。

動物においても、どれがいいオスなのかを見分けるのは、非常に認知資源を使う。

オスは比較的、メスの身体に表れる、生殖適齢期のサインを参考にすることができる。

一方メスは、オスに言い寄られるのは当然であるから、オスを見分ける必要がある。

良いオスか見分けるのも大変で、そんなとき、一番簡単なのが、「そのオスは他の異性からモテてているか」なのである。

それを見れば、自分でいろいろな要素を吟味する必要や、認知資源の節約になる。

このように、動物のメスというのは、他のメスにモテているオスが「魅力的」に見えるような性質をもった。

なぜなら、良いオスかを見られなかったメスの遺伝子は、後世に残ることもなく、認知資源を節約し、良いオスを見分けて遺伝子に資源を注いだメスのほうが、後世に遺伝子を残した。

3. 人にも当てはまる、「隣の男は魅力的」

ある話を聞いたことがある。

昔付き合っていたカップルがいて、その男が、当時元カップルの女の友人と関係を持ち、元カップルの女とその友人(元カップルの女はその友人よりも女として格上)は隔たりができてしまったという話だ。

全ての責任が、その男にあるように周りの女性たちは非難していたが、果たしてその男だけの責任だったのだろうか(あとは、楽しさを提供できる男性だったから、普通にその女の子からしてみれば魅力的だったのもある!!)。

 人間も、動物と似たような性質を持っており、長い歴史の中で共存してきた。

 系統は違えども、同じような性質が、過酷な自然の中で有効に働いても不思議ではない。

 自分と仲の良い女性または同じ集団内にいる女性のパートナーを、肯定的に見るフィルターがかかってしまうのは仕方のないことだ。

 このように、人の行動も、他の生き物と同等の性質をもっている。

4. それを悪用する危険性

これを知った男性で、女性にモテた経験やスキルがあり、かつ知的であると、この技術をわが物顔で「モテ」に取り入れる。この知見を知らなくても、「経験則」で無意識にやる人もいる。

まず、自分が付き合っているパートナーや、かつてパートナーだった女性が所属する集団に入りこみ、入らないにしても巧妙な手段で接触のパイプを持ち、自分のパートナーや元パートナーの知り合いである女性と関係を持つのは、全く関係のない女性と関係を持つよりもはるかに成功する確率が高いのだ。

このように、人間というミクロな視点を外れて、生き物と言うさらに大きな視点でみると、人間の性質は生き物と似ている。

進化心理学について学べる本 ▼

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