「図太い」は「鈍感」とも言える 「図太さ」へのイメージの変化 ブルーワーカー・突然死

 僕は、「図太い人」に対して、どのような出来事や言葉に対しても反応せず、自分らしく生きられる「ポジティブ」な印象があった。

感覚が過敏で、何事も考えてしまう僕にとっては、そのような人への憧れがあった。

しかし、あるパン屋に勤務して違和感を覚えた。

その違和感を分析すると、「図太い人」というのは「感覚に鈍感な人」であるとわかる。

1. 実年齢よりも「老けている」違和感

僕は、社会人となり、あるパン屋に勤務した。

しかし、早朝のスケジュールの厳しさ(自分は早起き苦手やねん)によって退職した。

社会人として学ぶことは多かったけれど、そこに勤務してある違和感を覚えたのである。

それは、「長年そこで働いている人は、実年齢よりもかなり老けて見える」ことであった。



2. 1万年前と変わらない人間

そのパン屋のスケジュールとしては、朝の6時から勤務が始まる。

仕事場所も、音楽が流れていたり、空調がきいていたり、労働者に配慮されていた。

しかし、早朝から仕事をし、また、閉鎖的な空間で働き続けるというのは、本来の人間の生活に当てはまらない。

進化心理学者・進化生物学者(大学の教授たち)の意見では、人間は1万年前から、脳や身体の構造がほとんど変わっていないと言う。

人間なんて、労働者として働き始めたのは比較的最近のことであり、閉鎖的な環境で過ごしたり、生物のリズムとかけ離れた生活を、「ストレス」に感じるはずなのだ。

しかし、働いていた人たちというのは、「もう慣れたから君もいつか慣れるよ」とか、「まだまだ仕事できる」なんて言っていた。

3. 傷つきを感じられない「鈍感さ」

ここで話を戻すが、「実年齢よりも老けて見える」とはどのような意味を持つのだろう。

それは、極端に言えば、「実年齢の健康状態よりも、身体が傷ついている状態」を指す。

見た目でその人の平均余命が予測できるなんて話を聞いたことがあるし(根拠は忘れた)、人の見た目が健康を予測できる指標であるというのは、進化心理学でも説明されている。

そのため、人には合わない環境で働き続けられる人たちは、「図太い」と言うよりも、「自分の身体の感覚に鈍感である」という方が当てはまる。

 働く人たちは、多くの人がやめることを嘆いていたが、働き続けられる人よりもやめる人の方が多い職場など、人間にやさしい職場ではない(1つの事実、あとは閉鎖的な箱に人を押し込めると、必ず衝突が起こるらしい、あれ、現代社会って人間関係で悩むことが避けられない環境が多いよね、自分で個人事業主・小さい会社の社長になるなり、自立しないときついって!!)。

 働き続けられる人たちは、自分の感覚に「鈍感」で、身体の傷つきを無意識にもみ消してしまう「恐怖の図太さ」があるのだ。

4. 図太すぎることの弊害

このように、「図太さ」というのは「鈍感さ」と言い換えられる。

その人たちの言葉よりも見た目や身体のサインをみると、「実年齢よりも体が損傷をうけている」という時点で、図太さが幸福に繋がる絶対的な要因でないのが分かる。

図太すぎれば、身体のサインを見逃して、いきなり命を落とす確率が上がる。

最近、感覚の過敏さで悩んでいる人が注目されているが、「神経の鈍感さ」というのも、なかなかな問題であるというのが最近の経験を通して学んだ。

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